飯田橋焼肉だいちゃん家(飯田橋)

連続カレーブログ小説
「カレーみたいな青春」 #26



俺は人形に近寄った。
半身となった人形の断面は日本刀で達人が斬ったかのように平で真っすぐだった。
視線を人形の後ろを移し、再びギョッとした。
壁に亀裂が入っている。
ここまで貫通したのか...


とりあえず人形を片さないと。
俺は焼却炉に向かい、人形を炉口から放り込み火を付ける。
あいつは、力をコントロールできないどころか自覚もしていない。
どうするべきか...



教室に戻り、自分の席であれこれ考えているとガリが走り込んで来た。
神宮寺に会ったという。
しかも思わせぶりな事を言ったとなると、もう迷ってる時間はなさそうだ。





「俺と一緒に、しばらく学校を休んでくれないか?」



考えはある。得策とは言えないけど。




半ば強引にガリを説得し、一旦それぞれ家に帰った。
家に着くと母ちゃんが出て来た。



「あれ、アンタどこ行ってたの?制服着て。でなんで帰ってきたのよ」



「仲間が現れたんだ」




母ちゃんが珍しく真面目な顔になる。




「でそいつ、力の使い方がわからないから」


「あそこに行くのね」


「うん。おにぎり作ってくれる?」


「50個でいいわね?」


「え〜70個は食べ..」



母ちゃんは黙って台所に消える。


ガリはうまいこと親に説明しただろうか。

まぁゴネても無理矢理引っ張っていくけど。
俺やカリナの運命は、あいつにかかってるかもしれないんだから。


一週間がリミットだな。




俺はおにぎりを持って待ち合わせの駅に向かった。



連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく・・
※この物語はフィクションです。




いやー暑い暑い。デブです。カレー始めます。
カレー生活85日目。




本日は飯田橋裏カレーストリートの一角。
飯田橋焼肉だいちゃん家。


レトロ看板です。


お弁当もやってます。
スタミナカレーは売切れと書いてあったので聞いてみると、
店内では大丈夫とのこと。



着席しメニューを見る。



あ、味噌豚丼にピントが。
んん?おもてのメニュー看板に書いてあった「牛すじカレー」が見当たらない。
最近わかったんですが、
ガリくんは経験則からその料理ににんにくが入ってるか判断するみたいで、
例えば「スタミナ」なんて言葉のつくやつは危ないと察知するわけです。


だから今日の場合、私なんかはスタミナカレーと聞いたら
嬉々として店に入るんですが、
ガリくんは嫌々するわけです。
だから牛すじカレーがメニューに無いとなると死活問題です。
さて...



「牛すじカレーってありますか?」



「......ありますよ」



なんだ今の間は。



「得盛りできますか」
の質問には即答で「できますよ!」



というわけで
私はスタミナカレー得盛り¥800
ガリくんは牛スジカレー(?)得盛り¥800



メニューを見ていて発見したんですが、



どうやらこのだいちゃん家、
昼時の名前はこうちゃん家みたいですね。
てことは今作ってる人がこうちゃんなのかな



で、こうちゃんを見ていると、
私たちの注文を作ってるみたいなんだけど
明らかに同じもんを2つ作ってる感じなんですよね。


ガリくんもそれに気付いたらしく顔が曇ります。




先にサラダとスープが出て来ます。


サラダはポン酢っぽい味。
ガリくんは大丈夫だって。
スープは、テールスープっていうのかな。
焼肉屋によくある味です。



そしてついにカレーが来ました。


えっと2つとも同じものだったので写真は1つです。
途中で気付いたので別に驚きはしませんがね、
まぁでも得盛りでもないです。



でも食べてみてわかったんですが、
カレーに牛すじが入ってるんですね。
だからこの店ではカレー=スタミナカレーということみたい。


しかもにんにく臭はほとんどせず、
ガリくんも平気みたいです。


味は、全然悪くないですね〜
B級系なのは間違いないですが、
カレーの味がなんというか
ガリくんは初めイタリアンって言い、
次にはビーフシチューって言う。


うん、たしかにカレーとビーフシチューの間みたいな
私の好きな味ですね。
おいしかったです。



客層はオールサラリーマンでしたが、
みんな「ねぎ塩豚カルビ丼」をたのんでました。
焼肉屋ですからね。


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飯田橋焼肉だいちゃん家

〒102-0071 東京都千代田区富士見2-2-9(→MAP

[評価]

味:★★★

量:★★★

CP:★★★

総合評価:★★★

※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。

万国食房 ディナギャン(水道橋)

連続カレーブログ小説
「カレーみたいな青春」 #25



デブは超能力者なのか。奇術師なのか。
とにかく僕は不思議な現象を目の当たりにした。


しかも、僕にもそんな能力があると言う。
いままで平々凡々と暮らしてきて
そんな怪現象を見たことも無ければ、もちろん起こしたことも無い。


とりあえず、言われたまま目を瞑り集中をしてみたが
やっぱり何も起きなかった。


「とにかく僕着替えてくるよ」


急に少し怖くなって
着替えると言って道場を飛び出した。




アレはいったい何やったんや。
僕が持ってた竹刀やから、デブは細工なんか出来ひんかったはずやし。
超能力ってほんまなんか。


さっきは怖くなって飛び出してしまったものの、
どうしても気になって、着替えを済ませると道場に戻った。
しかし、デブの姿は無かった。
そこにあったはずの打ち込み人形も無くなっている。


デブがやったのだろうか。
もともと超能力やハンドパワーといった類いのものが好きだったこともあり、
気味が悪いと思っていた気持ちも、いつしか興味に変わっていた。




デブを捜しに行こうと振り返ろうとしたその時、
背中に何か悪寒のようなものが走った。


後ろに誰かおる・・


ゆっくりと振り返ると、5mほど離れたところに神宮寺が立っていた。


「やぁガリくん。剣道の練習にでも来たのかい?」
不気味な笑顔を浮かべた神宮寺が僕に話しかける。


僕はそれを無視して、神宮寺とは別の方向に歩き始めた。


「人が話しかけてるのに、つれないなガリくん。
 ところで、ここには君ひとりでいたのかい?」


足を止め、神宮寺の方を振り返った。
「なんでそんな事聞くんや?何しに来てん。」


「なんかね、気になることがあったんだ。
 ここで何か起こってる気がしてね。僕にとってよく無いこと・・」
神宮寺が1歩2歩と歩を進めながら言う。


「君とはじめて試合をした時にも最後の一瞬だけ嫌な感じがしたんだ。
 ずいぶん昔、一度だけ感じた事のある嫌な感じ。
 いま、ここに居たのはガリくんひとりだったのかな?」


僕は走った。
何を言っているのかは分からなかったが、
何となくデブが持っていた力の話をしている気がした。
そして、デブの話はしないほうがいい気がした。
デブを捜す。


僕はまっすぐに教室に向かっていた。


「デブくん。」


ガリ。そんなに息切らしてどうしたんだよ。」


僕は呼吸を整えながら神宮寺が居たことを話した。






しばらくの沈黙の後、デブが口を開いた。


「俺と一緒に、しばらく学校を休んでくれないか?」


「え?いきなりどうしたん?」





連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく・・
※この物語はフィクションです。






はい。ガリです。カレーです。


平日ランチは毎日カレー生活84日目。




週末やし、みんなでランチとか行きたいね。
なんて言って今日はバイキングに行くことに。


でも、みんなの都合がなかなか合わず
3人でのランチ。


万国食房 ディナギャン



この店、カレー生活をはじめる前にも
何回か来てるけど、ぜんぜん名前を覚えられへん。
ディナギャンって何やろ。


この店、おっきなスクリーンがあるんで、
バンクーバーオリンピックのときも
みんなで真央ちゃん見に来ました。


今週のランチメニュー。





今日は金曜日なんで
カレーは「ツナカレー」ですね。


まったく惹かれへん。


まず入り口で950円払います。
何となく感じ悪い。




適当に空いてる席キープして
お料理取りにいきましょう。



とりあえず一通り取って席に戻る。


デブさん、カレー少なすぎやしませんか。
これ、カレー生活ですよ。





でも、おかずは結構取りましたねー。
何ですか、その茶色いお皿。




ガリは、おかずは平均的に。
ごはんをモリモリ。






いただきますっ。


ごぼうサラダはあんまりうまくない。
冷やしきつねうどんは、アゲが甘すぎる。
鶏肉のカシューナッツ炒めは、まぁまぁ。
白身魚の甘酢あんかけは普通。
ローストポークトマトソースは、
うまい、と思いきやちょっと重い。


全体的に悪かないけど
ここまで、平均点。


では、ツナカレーを。





うん。想像通り。
スパイシーさとかは無くてちょっと甘い。
で、ツナが入ってる。


ツナカレーってどうゆう人に需要があんねやろうか。
すぐ出来るとか肉があかんとか、そうゆう需要はありそうやけど。
お子様ランチみたいなカレーで残念。


あんまりいいこと書いてへんけど、
なんだかんだで何回も来てますから
悪くは無いんですよ。
コーヒーも飲めるし、タバコも吸える。


でも、もうちょっとカレーに
チカラ入れてほしいな。


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万国食房 ディナギャン
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル 1F(→MAP
[評価]
味:★★
量:★★★★
CP:★★★
総合評価:★★★
※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。

ガネーシャ(神保町)

連続カレーブログ小説
「カレーみたいな青春」 #24




ガリに神宮寺のことを話す。
あいつが転校して来たところから昨日の出来事まで、全部。
ガリは驚きもせず聞いている。
ガリガリで神宮寺のことを考えていたってことか。
でなきゃこんな時間に剣道しに来るはずないもんな。



でもそれより今は先ほどのガリの様子が気になった。


俺は意を決した。



目を瞑り、意識をガリの持っている竹刀に集中させる。




「うわっ!」




竹刀は一瞬発光し、鍔から下を残して消滅した。
うまくいったようだ。
ガリは刀身の無くなった竹刀を呆然と見つめている。
一拍置いて現実に戻って来た。




「ななな、なにしたん今!?」


「燃やしたんだ」


「燃やした?爆弾てこと?」


「いや...パイロキネシスっていうんだ。発火させたんだよ」


「...?ようわからん」


「俺は体温が普通の人よりも少し高い。そしてその上昇率は気温や自分の感情に左右される。怒ったり走ったりすると熱くなるだろ?それが俺の体温を上昇させるんだ。だから俺はいつも暑い。」


「デブやから暑がっとったわけちゃうんやね」


「黙れ。そしてその体の熱を飛ばすことができるんだ。」


「念力..?」


「さぁ..詳しいことは俺自身も知らないよ。誰にも話したことなかったしな。でもそういう発火能力は世界各地で発見されているらしい。まあ超能力ってやつだよな。読心とか千里眼とかと同じ。」



「...それをなんで僕に話したん..?」



「能力者は他の能力者を感知できる、と本で読んだ事がある。そしてさっきのおまえの異常な様子を見た時、なんか頭の奥が熱くなるような変な気分になったんだよ。それでもしかしたらと思ってよ。それにさっき、おまえも『まぁ..』って言ったじゃんか」



「え!?僕にそんな力あるわけあれへんやん!ただの人見知りや!人とちゃうとこ言うたらそれやねんで!」


「いーや、気付いてないだけだよきっと。試しにあの打ち込み用の人形に向かって意識を集中してみな。練習後だから体温も急激に上がってるはずだ。」



「...うん。まぁやってみよか」



ガリは人形に向かって目を閉じた。



10秒...20秒...



1分程経ったが何も起こらない。




「ふー...やっぱり僕にはそんな力あれへん。今まで何も無かってんから」



「そうかな」



俺の勘違いだろうか。
人形は燃えるどころか煙すら上げてない。




「とにかく僕着替えてくるよ」


「あ、ああ」


ガリは出て行った。


一人にされてもすることがないので俺も剣道場を出ようとした。





その時。





ゴンッという音が後ろから聞こえた。



振り返ると、人形がまるで真剣で袈裟切りされたみたいに半身だけ台に残している。



こいつは...



間違いじゃなかった。
俺は最高の相棒を手に入れたと確信し、笑った。





連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく・・
※この物語はフィクションです。








カレーの話。デブです。

カレー生活83日目。



今日はもういいかげんインドカレー食べにゃいかんでしょ、
てことで神保町のガネーシャに行って来ました。
ガネーシャって頭がゾウさんの有名な神様ですが、
神の名のみを店名に使うってのは、あまり日本には見かけません。


日本神道でいうと最も有名なのは天照大神でしょ。
「割烹 天照大神」ってあったらなんか恐いですもんね。


話逸れました。
今日はインドカレー



店内は今までのインド系のお店と違ってこぎれいなイタリアンの雰囲気。



でもホールは定食屋のおばちゃんみたいな人が仕切ってます。



ランチメニューは3種類。



私たちはBセット¥950を選んで、
ガリくんはチキンと海老。
私はキーマと海老。



喫煙と禁煙に分かれてます。これも珍しい。






久しぶりのインドカレー
うん、全然辛くない。


キーマはもっとドロドロを想像してたんですけど割とサラサラです。
味もあっさり。
海老は、そんなに濃厚じゃなくこちらも割とあっさり。


チキンはガリくん曰く「ふつう」。


うん、普通だね。
決してまずくはないけど、絶品てわけでもない。
やはりSAPANAには勝てないか...


それでもナンとライスがお替わり自由なので
ナン一枚づつ、ライス2杯づつ頂きました。


13時を過ぎてからの注文はドリンクが付きます。



今回久しぶりにインドカレーを食べて、
やっぱりタイカレーが一番かな、と思いました。


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ガネーシャ 神保町店

東京都千代田区神田錦町3-6 錦町スクエアビル1F(→MAP

[評価]

味:★★★

量:★★★★

CP:★★★

総合評価:★★★

※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。

親父ホイホイ(神保町)

連続カレーブログ小説
「カレーみたいな青春」 #23



居ても立っても居られなくなり
道着をつかんで家を飛び出した。


道場に向かったのは覚えているが
その後の事はあまり覚えていない。
気がついた時には、なぜか突っ込んでいた。


「不倶戴天の敵やろ」


大阪人の性なのか。
それまでぶっ飛んでいた頭も一瞬で冷静になった。


そうそう、怒りで体が膨れてパンパンや。って誰がフグの世界の皇帝やねん。
と、言おうかと迷ったあげく
分かりにくいボケにはオーソドックスな突っ込みの方がええやろうと
判断して突っ込んだほどに冷静になれていた。




「どうしたん?デブくん。」


「どうしたん?じゃねぇよ。
 さっきおまえ、何かに取り憑かれてるみたいだったぞ。」


デブが訝しげな表情で言った。


「えっ?そんなことないよ。ちょっと夢中でさ・・」


「まぁいいや。ガリにちょっと話しておきたい事があってよ。」


深くため息を付いた後、デブが続ける。


「おまえは昨日、転んだわけじゃ無いよな。・・分かってるよ、神宮寺だろ?」


デブはやっぱり何か知っている。
僕は探るように聞き返した。


「なんでそう思うの?」


「あいつはそうゆう事をするヤツだからな。」


やっぱり間違い無かった。
僕は、自分でもびっくりするぐらいの早口で
神宮寺について問いただすように聞き続けた。




「もう、いいだろ・・。そうゆうヤツなんだよ。」デブが言う。


神宮寺のことは分かった。
後は、カリナをどうするかやな。


「ごめん。話ってのはそれだけ?」


デブの顔つきが変わった。


「おまえさぁ、自分が人とは違うって思った事無いか?」


「えっ?」


こんな時に、また妙な事を言い出しよった。
人と違うところか・・人と違うってゆうたら
やっぱりこの極度な人見知りやろうな・・・



「まぁ・・」


「やっぱりそうか。
 じゃあ、おまえもこんな事出来るんだろ?」



そう言うと、デブはおもむろに目を瞑った。








連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく・・

※この物語はフィクションです。







ガリです。まいど。


カレーのお店訪問いきます。
平日ランチはカレーのみ生活82日目。


親父ホイホイ 神保町店




メニューはコレ!




どうですか。
ビビビと来たでしょ?


牛スジカレー180g 280円。
安い。


ながせさんにおすすめ。


ライス500gで500円。
ライス600g で600円。
それ以上でも600円。


行くしか無いでしょ。
もうオヤジみたいなもんですし、ホイホイ行きますよ。


階段上がって店内へ。




店内にはX JAPANとか槇原敬之とかチューリップとかかかってます。
テーブルは雰囲気あるけど
肘を付いたら逆・星一徹みたいになりそうな不安定さ。
夜、居酒屋になってるとき
絶対やらかす人多い気がするねんけど。大丈夫なんかな。




店員はデブさん曰く、EE JUMP
ギャル、ギャル男的な若い2人だけ。


牛スジカレーに生卵とチーズをトッピングして注文。
ご飯は 700g に。約2合やね。それでも700円。安い。


しばらく待ってると
友達なのか、バイト仲間なのか
ギャル男的な客がひとり入ってきてしゃべってる。


なんか海の家みたいや。


とか、思ってると来ました。カレー。




そーっとそーっと持ってくる。




メニューに600g以上とか書いてんのに、
皿とか大きいのは用意してへんかったんかいな。想定外か。


チーズがスライス。
ご飯の量って写真じゃ分かりにくいな。



 ルーが足りなかったら言ってくださいね。と。


ほう、サービスええね。




いただきます!





うん。まぁまぁうま・・


ん?


しょっぺ。


カレーとしての辛さはそんなに無いけど
なんかしょっぱい。濃い。


そこまで悪くはないけど、
この量食うにはこの濃さがちょっとキツい。


ご飯もルーも熱い。
汗が止まらん。


ちょっと食い進めて皿の中に余裕が出来てきたら、生卵投入。
生卵の周りは熱さも味もちょうどいい。



汗をかきかき、ぱっくりぱくぱく。


ごちそうさまでした。




デブさんはルーが微妙に足りないらしく
ルーをおかわり。


・・・


ルーを入れるだけのはずがなかなか来ない。


と、思ってたら熱っつ熱っつのルーがたっぷり。
あっためてたんね。


ごはんちょっとやのにルーが・・





食い終わった後、水をガブガブ飲めたんで
まだ食えたな。腹9分。


腹減ってるときは1kgいけるかもね、
なんてデブさんと話して、お会計。





店員さんがレジを開けた瞬間、
10円玉が飛び出し転げ回る。


デブさんが会計してガリの番。





おつりが無い。
こっちも細かいのが無い。


100円玉が1枚も無いらしい。
10円玉は溢れるほどあんのに・・




どうしようどうしよう・・
みたいになってたら、
後ろに座ってたギャル男くんが財布から300円取り出し
ギャル店員に差し出す。




カレー食ってたギャル男くんの財布から
おつりをもらうってゆう、
わけのわからん状態でなんとかお会計。




うん。なかなかおもしろかったです。
でも、ギャル男くんの財布に無かったらどうしてたんやろ。
10円玉30枚くれたんかな。
そっちのがおもろかったな。提案すればよかった。




夜のメニューもすごい安いんで
また来たいね、なんてデブさん言ってたけど


こんだけギャルやギャル男や
って書いてたらちょっと行きにくいな。


ぜったい向こうも覚えてるやろうしな・・
いらんこと書きすぎたけど、悪い事ゆうつもりはまったく無いんよ。
これ読んでも怒らんといてね。

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親父ホイホイ 神保町店

東京都千代田区神田神保町1-25-2 2F(→MAP

[評価]

味:★★

量:★★★★

CP:★★★★

総合評価:★★★★(ちょっとおまけ)

※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。

シンガポール 海南鶏飯 (水道橋)

連続カレーブログ小説
「カレーみたいな青春」 #22





ラーメン屋を出て学校に取って返したが、
ガリもカリナも見当たらない。
くそっ帰ったか?
俺の予感は当たる。悪い予感は特に。
保健室に行くと保健の戸田先生が残っていた。



「戸田ちゃん!ガリは?」


「ついさっき目を覚まして帰ったわよ」


「遅かったか...じゃあカリナは?」


「あの子はもうだいぶ前に保健室から出ていってその後は知らないわ」


「そうか...」



ガリを追いかけるか?いやそれよりカリナが先か。



「どうしたのデブくん?坊主の腹巻きみたいな顔して。締まりがないわねぇ」


「坊主の鉢巻きだ!それに俺は元からこーゆう顔だ!」


「でもガリくんもそんな目してたのよね。フグ大帝の敵を見る目って言うの?おっかない顔してさ」


戸田ちゃんの間違いを正す時間も惜しかった。
保健室を飛び出し、駆けた。
短時間でこんなに走ることになるとは...
てかガリってどこに住んでんだ!?






あてもなく走り続け、俺は隣町近くまで来ていた。
膝に手を置き、息を整える。もう走れねえ。
何やってんだ俺は...ここ、どこだ?



顔を上げて前を見た時、
知ってる奴が目に入った。
あの後ろ姿。
間違いない、神宮寺だ。




繁華街の方に歩いて行く。
ちょうどいい。あいつを抑えりゃガリやカリナを見つけなくてもOKだ。
俺は気付かれないように尾行を始めた。




またあの時のようにゲーセンに行くのかと思ったら、
奴は雑居ビルの地下に降りて行った。
階段の上から覗くが暗くてよくわからない。
行ってみるか...
階段の壁に描かれた無数の落書きやビラが、
悪の巣窟への道案内をしているようで不気味だった。



ドアを開けると鼓膜を破るような爆音が外に漏れた。
ライブハウス?
恐る恐る中に入ると、やかましいなんだかよくわからない音楽が鳴る中、
無数の男女が酒を浴び、踊り狂っていた。



なんだこりゃあ!?地獄絵図か?
目を凝らすと有象無象の中に神宮寺を見つけた。
奴は人を躱しながら店の奥へと進んで行く。
見失わないように後をつけると、やつは一番奥のドアを開け入っていった。
幸運にもそのドアは少し開いていた。
その隙間から中の様子を窺う。



「●※▲⁂∀◉?§☆⏎」


「‰♀℃★♬£」



神宮寺が誰かと話しているのが聞こえるが日本語じゃない。
英語でもない。
それにしてもこのドアの向こうの気配はなんだ?
獣のような殺気を感じる。それも100人、200人じゃない。



その時、わけのわからない言語に混じってやつが日本語を言った。




「...ガリ....」


「...カリナ...」





俺は踵を返すと急いで出口に向かった。


あの野郎。

やっぱり終わりじゃなかった!いやむしろこれから始まるんだ!




どこをどう走ったのか、俺は無事に家に着いた。
もう夜中の1時を回っていたが全然眠れなかった。







空が白み、俺は居ても立ってもいられず着替えて家を出た。
まだ5時くらいだろうか。





学校に着いた時もまだ完全には夜が明けてなかった。
ふと何かの音が聞こえた。


板を踏みしめるような音。竹が爆ぜたような音。




剣道場か。






まさかと思いながらも剣道場へ向かう。
音は近づくごとに大きくなる。




剣道場の扉を勢い良く開けると、男が振り返る。
そこには体から湯気を出した鬼神のようなガリが立っていた。
俺は思わず叫んだ。




「フグ大帝の敵だ!」


「不倶戴天の敵やろ」



連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく・・
※この物語はフィクションです。





日々暑いですねぇ。デブです。
カレー生活81日目。


今日は海南鶏飯に行ってきましたよ。


前に食べた海南チキンライスが思い出されます。
でも残念ながら私たちにカレー以外は許されない...


店内はアジアンな食堂の雰囲気。
女性客が多いですね。



私はカレーヌードル¥850
ガリくんは海老カレー飯¥850

ごはんとスープはお替わり自由みたいです。


12時前に入りましたが、
12時を過ぎるとすぐに混んできました。
わっ 並んでるじゃん!人気店なんだ。


来ましたカレーヌードル。ライス付きです。



海老カレー。



海老カレーに付いてるスープは、
ファミレスのスープににんにく入れた感じらしく、
ガリくんがダメな顔してます。


カレーは、
私が注文したカレーヌードルのスープもそうですが、
イカレーの味とコクを薄くした感じ。
でもなんかこう、渋みというかおじいちゃんというか..


と首を傾げているとガリくんが


「この味、たとえていいですか」
と自信タップに言うんです。




「どうぞ」






「寺」





...




.....




それだ!寺の味だ!



これはもうね、食べないとわからないんでしょうけど、
確かに寺なんですよ。


抹香とか和尚とか伽藍とかのにおいが合わさった感じ。



私は嫌いじゃないです。



でも特筆すべきは付いてるライスですね。


どうやらガリくんの方は普通のタイ米なんですけど、



私の方はこれ、鶏飯ですね。
鶏ガラっぽい味とにんにく、ショウガの香り。


超旨い。


世界で一番美味しいご飯だと思いました。


当然おかわりします。



ヌードルも、普通においしく、
鶏の南蛮揚げみたいのが乗ってて、
これがまた旨い!



シンガポール行ってみたいですね。



いい食事でした。


                                                                          • -

シンガポール 海南鶏飯 水道橋本店

〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-1-1 (→MAP

[評価]

味:★★★(鶏飯は★★★★★)

量:★★★★

CP:★★★

総合評価:★★★★

※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。

居酒屋 よってこ(飯田橋)


連続カレーブログ小説
「カレーみたいな青春」 #21




「大丈夫かい?」


神宮寺は僕を見ると笑顔を浮かべ近づいてきた。


「大丈夫なわけあれへんやろ・・」


僕はそう言って、神宮寺の横をすり抜けて帰ろうとした。


「ちょっと待ってよ。謝ろうと思って待ってたんだからさ。」


僕が振り返ると、さっきと変わらない笑顔のまま続けた。


「ついやりすぎちゃったみたいで悪かったね。
 君がそんなに弱いと思わなかったからさ。
 俺が強すぎて、君が弱すぎた。
 それが“転んだ”原因だってことだけは理解しといてほしくてさ。
 俺が言ってる事、わかるよね。」


喋り終わる頃には、その顔に笑顔は無くなっていた。
威嚇するように見開いた目は、いままでに見た事の無いものだった。


その目に恐怖を感じつつも、
苛立ちが溢れ、精一杯の声を振り絞って返した。


「そうやって笑ろうてたらええよ。
 次やったらどっちが勝つかわからへんで。」


言ったと同時に、大変なことを言ってしまったと後悔し始めた。


「ハハハハハっ!おもしろいこと言うね、ガリくんは。
 さすがに大阪人だね。それセンスあるよ。」


大きな声でいつまでも笑い続ける神宮寺を背中に、
僕はまた歩き始めた。


悔しかった。
でも、何も言えなかった。
このままでは終わらせないと誓い、
神宮寺を一泡吹かせる方法、
剣道の腕を上げる方法などを考えながら歩いていたが
家に着く頃には、母親にケガがバレた時の言い訳を考えていた。




その日は眠れなかった。
保健室で寝てたせいもあったのかもしれないが
怒りや悔しさが溢れ、考えが止まらない。




あいつがほんまにどうしょうも無い、
カスみたいなヤツってことはわかった。
ずっと僕の事、おちょくってたんやろな。


でも、いまのままやったらアイツに勝つどころか
ビビらす事すらでけん。
どうしたらええねん。どうしたら・・


ほんでカリナや。
神宮寺の正体、知ってるんやろうか。
関係が分からへんから、滅多な事言われへんしな。
とりあえずデブと話してみる事からやな・・



外にはもう朝が来ていた。





連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく・・

※この物語はフィクションです。







ガリです。まいど。


カレーのお店訪問記です。
こっちがメインですよ。
80日目。


また今日も飯田橋方面、大神宮通りへ。


居酒屋よってこ




ちょっと気になる看板が立ってたんですよね。
これ。




馬カレー。


馬肉ですかね。
安いし、大盛り無料って書いてるし。
その後ろにあったこれ。




これも気になる。


 例のごとく特盛りできますか?


って聞いてみる。


 えっ?あっ。できますよ。


と、ちょっとびっくりしながらOK。
でも、「うまぃメンチ」は夜のメニューとのこと。
残念。


目の前でご飯を盛りつけ、


 特盛りってこれで大丈夫ですか?


って聞かれたけど、ちょっと少ない。
もうちょっとって言おうかと思ったけど
「こんなに多くて大丈夫ですか?」って意味で聞いてんのか
「もっと入れましょうか?」って意味なんかが分からんかったんで
空気読もうとしちゃって、ちょっと躊躇。


 これにサラダも付きますよ。


って言うたから、
やっぱり「こんなに食べれます?」って意味やったみたい。


 大丈夫です。


って答えとく。




で、来ました。カレー。
かなり粘度の高そうなカレー。




いただきますっ!




濃い。
なんやろう、なんか食ったことあるような味。
でも、思い出せん。


ちょっとしょっぱめで、
ルーを入れすぎた時みたいな感じの味。
でも、悪くない。


肉は馬肉なんやと思うけど、
固まりが小さいから食感も味もよくわからん。


全体的には普通にうまいって感じで
そんなに特筆して書く事はみつからんかった。




特盛りにしたけど金額は同じで600円やった。
あんまりわがまま言わんでよかった。
CPはええんちゃいますかね。
タバコも吸えるし。


馬肉料理と鯨料理と軍鶏料理がメインのお店で、
1回夜も来てみたい感じでした。
うまぃメンチも食いたいし。

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居酒屋 よってこ

東京都千代田区富士見 2-2-10(→MAP

[評価]

味:★★★

量:★★★

CP:★★★★

総合評価:★★★

※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。

デニーズ(神保町)

連続カレーブログ小説
「カレーみたいな青春」 #20



俺は行きつけのラーメン屋に行った。
ここの親父とは俺が小さい頃からの付き合いだ。



「らっしゃい!おうデブちゃん。部活は終わったのかい」


「いや、電池が切れたから充電しにきたよ」


「そうかい。いつものでいいんだろ?」


いつものってのは『にんにくラーメン小豚大盛り』のことだ。
ラーメンを待つ間、思考は自然と一連の出来事に向いた。
神宮寺が剣道部に入った理由...
それはまだわからない。でも、ガリにはすぐに興味を持ったようだ。
ガリの入部初日に神宮寺から話しかけたことからもそれはわかる。
そして今ガリは「的」になってる可能性が高い。
なんとか助けたいが、でもなぁ..
ガリは俺に不信感持ってるだろうから、
もう俺の言葉は聞かないかもしれない。
それよりカリナに全部話した方が早いんじゃ...
いやぁそれじゃあ俺の去年の苦労が....!
くそっどーすりゃいいんだ。腹減ったしよ、



「にんにくラーメンお待ち!ん..?どうしたんだよデブちゃん、苦虫みたいな顔して」


「苦虫を噛み潰した顔だろおっちゃん」


「んん、まぁいいじゃねぇか。悩みかい?いいねぇ青春だねぇ」


「そんなさわやかなもんじゃないよ」


「ふーん。...そういやカリナちゃんは元気かい?最近顔見ないけどよ」


「相変わらずだよ。毎日うるさくてたまんないよ」


「仲良くやんな。お前達はいいコンビだろ昔っから」


「けっ冗談じゃないよおっちゃん。俺は振り回されてるだけ」


「それもいいじゃねーか。女が主導権握ってる方が上手くいくんだぜ」


「それは夫婦の話だろ。俺たちはただの腐れ縁なの」


「そんなこと言って、...アレ?そういや、やっぱり最近見たわカリナちゃん」


「あ、そう。別に俺には関係ないもんね」


おっちゃんの話を聞きながらラーメンを掻き込む。
やっぱ大盛りじゃ足りない。もう一個食べようかな。


「なんか背の高いモデルみたいな男と歩いてんの商店街で見たんだよなぁ」




箸が止まる。




「おっちゃんそれいつの話!?」


「おや?やっぱり気になるのかね?青春だねぇ」


「いいから!」


「んー...あれは確か..昨日かな。うんそーだ昨日見たんだった」


「昨日かよ!おっちゃん脳が腐ってるよ!」


ラーメンの追加はやめだ。


「あれ?帰んのかい?珍しいねー1杯で」


「うん、また来るよ」


「デブちゃん、青春はさわやかなもんじゃねぇ。泥臭いもんだよ」


「わかった!ありがとうおっちゃん!」


店を出て走る。


泥臭くか。そーだ、あれこれ考えるのはらしくねーよな。




まずはガリだ。



連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく・・
※この物語はフィクションです。





こっからカレーブログ。デブです。


79日目。


はぁ...今日は全く乗り気しないんですよね。
デニーズですよデニーズ。
味は及第なんですけどね、もう量がね、キッズですよ全部。
そもそもなんでファミレス行ってんだ!って話なんですけど、
原因はこれです。






こんなキャンペーンされたら行かないわけにはいかないでしょう。


カレーは6種類なんで会社の同僚と6人で行きました。






事前に誰がどれを食べるか決めてから入店。


まずこれ。南アフリカ風レッドトマトビーフカレー¥890。

トマト味のさらさらしたカレーっぽくないもの、とのこと。
あんまり美味しくないみたい。
しかも激辛マークなのに辛くもないらしい。
同僚評価★★★



次。インド風デリーチキンカレー¥850。

ちょっと遠目ですが、なんか美味しそう。
星何個か聞くと、即答で★★★★★!
ええ〜!まじかよ!すっげえ旨いんじゃん!



次、ドライカレーと卵のオーブン焼き¥840。

うわあ凄まじく少ないですね。
私には鳩サブレにしか見えません。
味を聞いてみると、
「えーと、熱いです」とのこと。
でも味はまあまあで、
★★★★。



次。ごろごろ野菜と十八穀のスープカレーごはん¥780。


見た目は悪くなさそうですが果たして...。

「どうよ?」

「たぶん..これが一番不味いわ!」

「星いくつ?」

「うーん....0.2やな!」


相当不味いじゃん!そんなの食ったことねーよ!


「あ、でもオオドリーと比べてやで」


オオドリーは私たちも企画の最初ほうで行ったスープカレーの店で、
私の評価もかなり高い。ガリくんも好きって言ってたし、
もう一度行きたいお店の一つ。


「オオドリーと比べなければ?」



「比べなければ.......0.5やな!」


やっぱり不味いんじゃねーかよ!
がんばってよデニーズ!



次はガリくんのたのんだ欧風ビーフカレー¥950。ちょい高め。


まさに欧風カレー然としたたたずまい。
これは普通に美味しいんじゃないの?ガリくん!


「普通に美味しいです。星4つでもいいかも」


評価に厳しいガリくんが言うとは、なかなかですね。



で最後が私の。夏の焼き野菜カレー¥730。


手前の黒棒はナスです。
その左隣の老人の腕みたいのはしめじですね。
でその下のアフロみたいのがブロッコリー
あのね、焼き過ぎだっつの!
ブロッコリーなんて口に入れた瞬間「カシュッ」ってアフロが灰みたいに飛び散ったわ!


でカレーの味は、標準です。
家で作るカレー。
星★★★。


当然私とガリくんはごはん大盛りにしたんですが、
やっぱりキッズでした。


総評としては、もうちょっとがんばってよ!でしたね。

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デニーズ 神田神保町

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2−38−1 稲岡九段ビル2F(→MAP

[評価]

味:★★★(焼き野菜カレーのみ)

量:★★(焼き野菜カレーのみ)

CP:★★★(焼き野菜カレーのみ)

総合評価:★★

※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。