猿之亟(神保町)

連続カレーブログ小説
「カレーみたいな青春」 #28



ガリは恐らく相当訝しんでいるだろうな。
立て続けにこれだけ変な事が自分の身に起これば誰だって警戒する。
本当は徐々に邂逅していきたいところだが、時間がない。
別に仲良しになろうってんじゃないんだし、
いや、俺は仲良くなりたいんじゃないのか...?
今までの友達は砂上の楼閣のようなもので、
本当の俺が知れれば壊れる脆い関係だった。
カリナにさえ力のことは言ってない。
だが同じものを抱える者同士なら...



俺は不安そうなガリを尻目に、
おにぎりをほおばりながらそんなことを考えていた。



バスを降りると目に入って来たのは人の波だった。
この中に何人いるか...
俺は目を瞑り、前方の人波に意識を集中した。




いた。1人2人じゃない。かなりいるようだ。
しかしいきなり接近するのは危険だし、
かといってここからじゃ場所の特定もできやしない。




その時突然話しかけられた。



「ねえ。君たち、そうなんだろ?」



振り返るとモヒカンの男が微笑みながら立っていた。
こいつ。気配なかったぞ、今。



「あなたも?」



モヒカンは笑顔のまま頷く。
いい奴そうだ。


チケットを手配してくれるというので俺たちはモヒカンの後に付いて行った。



「食べる?」
おにぎりを差し出すとモヒカンは嬉しそうに受け取った。



「ありがとう。俺、蘭四道」


「俺はデブ。でこっちがガリ


「デブとガリ。いい名前だね」



人波の一番端の方に固まっているグループがあった。
蘭四道はそのグループに近づいていった。仲間みたいだ。



そこでガリが立ち止まり不安そうに話しかけて来た。


「なあなあデブくん、ここってさ」


「富士ロック」


「ハァ....知ってる。いつ突っ込もうか迷っててん。なんで富士ロックやねん」


「さっき言ったじゃん。集まるんだよここ」


「....何が?」


「ナニがってそりゃあ」


「あっ、やっぱいいわ」


「何恥ずかしがってんだよ。」



「おーい、こっちこっち」
蘭四道が呼んでいる。


「ほら、行くぞ」
嫌がるガリを連れて蘭四道の元に行った。




そのグループは蘭四道の他に3人。
男2人に女が1人。
その女が前に出て来た。
茶色の長いウェーブヘアが似合うなかなかの美人。
ガリの方を見ると、その女に見蕩れているようだ。




「あたいは滅多リカ。あんた達中学生?」



ガリが激しく落胆しているのがわかる。



「中坊だよ。おにぎり食べる?」



ガリがあからさまな嫌悪の視線を俺にぶつけてきた。
いったい何怒ってんだ?





連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく・・
※この物語はフィクションです。





デブっす。カレー始めましょう87日目。


今日は会社の近場で発見したお店。
猿之亟。これ読めないですよねぇ
「えんのじょう」らしいです。「さるのこく」じゃないんですね。
どういう意味でしょう。すげぇ猿?


表からは何屋かわかりませんが、中華屋です。たぶん。
お弁当も売ってるみたい。
店に入ると元気なお姉ちゃんが案内してくれます。




私はタンタン麺にミニカレー¥1010。
ガリくんは肉味噌冷やしにミニカレー¥1050。



お姉ちゃんはどうやら注文取りと会計だけっぽい。
あと常連客と威勢よくしゃべってます。


最近じゃ珍しい昔ながらの店みたいでいいですね。




タンタン麺。
すごい濃厚ってわけじゃないですが、
しっかりした胡麻風味と適度なコクのあるスープが旨いです。
ただ少ないな。あ、大盛りにしなかったんだ。



で肉味噌冷やし。

美味しそう。
ガリくんに聞いたら普通の冷やし中華に肉味噌乗ってる感じ。だって。
まあガリくんに聞いても大体が「普通」ですからね。
この企画が終わるまでに「ひゃー!めっさ旨い!もうたまらん!辛抱たまらん!」とか言ってくれるんでしょうか。




でメインのカレーです。


これがね、旨いんですよ。
これ一皿大盛りで食べたかったぐらい。
色んな種類の肉がトロトロ状態で入ってて、
まろやかでうまい。
分類は家カレーなのかな。もう一度食べたいですね。



で、気になったのがこれ。



その名も「食べれる豆板醤」!
説明が横に貼ってあったんですが、ほぼ覚えてねえ!
豆板醤にニンニクが入っているらしい。それだけで充分じゃないか!


ラーメンに入れてみる。




ギャ、ギャー!めっちゃうまい!たまらん!もう辛抱たまらん!




是非ご賞味ください。


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猿之亟

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-1-18(→MAP

[評価]

味:★★★★

量:★★★

CP:★★

総合評価:★★★

※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。