タイの食卓 オールドタイランド(飯田橋)

連続カレーブログ小説
「カレーみたいな青春」 #16



〜デブの回想4〜

カリナは諦めてくれただろうか?
あんな男にカリナは合わない、と俺は思う。
あの男は望んだ全てのものを持っているが、
カリナの笑顔に比べたらそのどれもが無価値に思える。
あれ?俺はカリナをどう思ってるんだ?


そんなことを考えながら目の前の静物を写生していたら、
なんともちぐはぐな絵が出来上がってしまった。



「デブくん、あなた一体何を見て描いたの?」


顧問の先生が苦笑しながら俺の絵を見ている。
その声を聞いて他の生徒も見に来た。


「うわ!デブくんそれなーに」


「デブくんの胃の中〜?」


どっと笑いが起きる。
その日はもう帰ることにした。





美術室を出たところに神宮寺が立っていた。
こっちを見てニヤニヤしている。
俺は視線を合わせず脇をすり抜けようとした。
俺と神宮寺の体が並んだ時、やつが口を開いた。





「カリナ」




俺は反射的にやつの襟首を掴んだ。


「てめぇ...俺はおまえには興味がないって言ったはずだ。だからこないだのことは誰にも言ってない。俺の周りのやつらには手を出すな」


「おいおい、乱暴だなぁ。女の子の名前を言っただけじゃないか。あの子、ちょっとかわいいよね。そんなに怒るって君、あの子が好きなのかい?」


「ただの幼なじみだ。けどおまえには関係ない」


「関係あるかないかなんて僕が決めることだろ?僕の仲間って男ばっかりで華がないからさぁ彼女、招待したいんだよね。君、仲がいいなら連れて来てくれないかな」


「そんなのはいつもみたいに金でどうにかなる奴にしろよ。あいつを巻き込むな」


「ああ、なんてつまらない答えだろう。僕はね、お願いしにきたわけじゃないんだ。命令してるんだよ」


「断る」


「じゃあしょうがない。君は僕たちのオモチャになってもらおうかな。最近みんなストレスがたまってるんだ。君が来てくれないなら...」




「...好きにしろよ」


こうなったらもうヤケクソだ。



俺は奴らの溜まり場に連れて行かれた。


「みんな、オモチャ持ってきたよ〜」


「おお〜こないだのサンドバッグかぁ」


「今度はいい声で鳴けよなッ」


いきなり鼻頭を殴られてクラクラした。
その後倒れるまで殴られ続けたが、声は決して出さなかった。


その場にいる全員が満足すると俺は道に捨てられた。


神宮寺が近寄って来て耳打ちした。


「みんな喜んでくれたよ。また頼むわ。君が来てくれないと学校に乗り込んで女の子攫ったりするかもね」



「...おい、約束は絶対に守れよな..」


神宮寺は少し笑って去っていった。


それから2回呼び出され、同じ目に遭わされた。
定期的に顔が傷だらけになるので、
カリナが不審に思って聞いてきた。


「あんたもしかしていじめに遭ってんの?」


「そんなんじゃねーよ」


カリナには絶対知られたくない。
それにカリナはあれ以来神宮寺のことは口にしない。
諦めたのだろうか。



そして4回目に呼び出された時、奴らの中の一人が言った。



「J〜、もうこいつ飽きたわ。全然声出さないし。女連れて来てくれよ」


神宮寺は少し考えてから言った。


「そうだね、じゃあこいつの幼なじみに来てもらおっか」


その瞬間、俺は飛んでいた。
「おおおおおおお」
神宮寺の隣にいた奴の側頭を力一杯蹴り飛ばし、
神宮寺の顔を掴んで地面に叩き付けた。
突然の出来事に他の奴らがひるんだ隙を見てそばにあったドラム缶を奴らに投げつけ、吠えた。


「うわっデブがキレた!」
「こんなの聞いてねーぞ!」
「全然オモシロくねー!」


他の奴らは散り散りになって逃げ出した。
不意を突いたおかげでうまくいったが、
普通では勝ち目はあるはずもなかった。


地面に倒れている神宮寺のところに行くと、
意識はあるようだった。


「...こんなことして、おまえタダで済むと思ってんのか...?」


俺は覚悟を決めた。


「約束を破ろうとしたのはおまえだろ。もしおまえの手下が学校に来たり、まだ俺の周りをチョロチョロするなら、今度は本気でおまえの遊びにつき合ってやるよ」



「ちっ...つまんねー...もういいよおまえ..あつくるしー....」


精一杯のハッタリが効いたようだった。


この日から神宮寺は俺に近寄らなくなった。



〜回想〈終〉〜

連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく・・





こっからカレーです。デブです。



今日は前から行きたかった飯田橋のタイ料理屋
『オールドタイランド


場所は東京大神宮方面で、
こっちの方も何度か来てますが、
今日のお店周辺は初めてでした。


私とガリくんはその通りに入ってびっくりしましてね、
周辺のお店の大部分がカレーを出すんですよ。
焼肉屋とかね、カレー専門じゃないところが。
また増えちゃいましたねー100軒超えちゃうじゃん!



で今日のお店なんですが、
外観写真はありません。
それどころか料理写真すらありません。
浮かれてカメラ忘れちゃって..
コメントのみでお送りします。



お店はビルの2階、
入ると左手に座敷があって右手にテーブルとカウンターが続く結構広い作り。しかも綺麗。
やっぱり女性客が多いです。


テーブル席に案内され、
私はやっぱりカオソイ(タイカレーラーメン)大盛り+ご飯¥1050
ガリくんはタレー・パッポン・カリー(具沢山海鮮の卵とじカレー炒め)大盛り¥1200


両方とも生春巻きが付きます。
うん美味。ナンプラーふってさらに美味。
黙って食べてるのでガリくんもいけるらしい。


ガリくんのほうにはスープが付くんですが、
トムヤムクンぽいすっぱい味で、
当然ガリくんはあかんやつです。



メインのカレーが到着。

カオソイは鶏肉、ピーマンなどグリーンカレーに入ってる具とライスヌードル、
その上に揚げ麺、生玉ねぎ、パクチーが乗ってます。
カオソイは二回目ですが、やっぱり美味しい。
前回のカオソイより濃厚で旨味とかコクとか凄いんですが、
グリーンカレーラーメンの方が美味しいかなぁ
あとやっぱり油が多め。
全部飲むと後でお腹が変になります。



ガリくんが食べてるカレーは、
赤くて中華っぽい感じなんだけど、
味もやっぱり中華らしい。
でも美味しいって言ってます。
確かに旨そう...



書いてて思ったんだけど、
全然伝わらないですね。
やっぱ写真無いとね。



最近めっきりインドカレー食べてないですが、
完全に避けてます。
そろそろ行かないと...

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タイの食卓 オールドタイランド

東京都千代田区富士見2-3-8 横江ビル2階(→MAP

[評価]

味:★★★

量:★★★

CP:★★★

総合評価:★★★

※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。