つけそば屋 北かま(神保町)
連続カレーブログ小説
「カレーみたいな青春」 #8
「なんだよ急に改まって」
「帰るところだったんでしょ?一緒に帰らない?」
「いいよ」
学校の裏手には川に沿って土手が続いている。
俺とカリナの家は土手を下流へと進んだ先にあり、お互いの家は歩いて3分という立地である。
俺とカリナは小学校からの付き合いで、
家が近いせいもあってたまに喧嘩しながらもなんとなく仲良くやってきた。
俺ののんびりした性格と彼女の勝気な性格が意外と合っていたからかもしれない。
いつも軽口を叩き合う仲だけど、
過去にも一度カリナがこんな風に話しかけてきたことがある。
あまり思い出したくない過去だ。
「ねぇ、デブさ、ガリくんのこと気にしてるでしょ」
突然話しかけられたのでヨダレが気管に入った。
「ゴホッゴホゴホッ!オエッオエ〜ッ」
「ちょっと、汚い!」
「...ハァハァ...おまえがびっくりさせるからだろぉ..なに?ガリ?誰だそれ」
「誰って、ふざけてんの?ガリくんよ、転校生の」
「ああ転校生か。ガリっていうんだ。俺名前覚えねーからさ」
「脳が腐ってんのよ」
「いや発酵してて意外と美味しいかも。珍味だよ。俺が死んだらカリナ、こっそり食べてもいいよ」
「おえっ気持ち悪い!」
いつもの調子に戻ってきて俺はホッとした。
「あいつ、剣道部入ったんだろ?あんなヒョロっちくて大丈夫かね」
「馬鹿ねぇアンタ、ほんとデブよ。体格と強さは関係ないのよ」
「ふーん。で、話ってそのガリのこと?」
カリナは急に黙ってしまった。
夕日がカリナの顔に影を落とし、表情が読み取れない。
嫌な予感がする。
「どうした?」
「あたし、神宮寺に告白しようと思うんだ」
ああ 予感的中か。
なんて言ったらいい?
「...うん」
「うんって、それだけ?一年前の時みたいに『おまえじゃ真珠にブタだ』とか『高嶺の焼肉屋だ』とか言わないの?」
「...おまえが好きになったんだから、したいようにすればいい」
「なんか冷たいね、デブ。もういいよッ相談しない!ひとりで帰れば
!冷デブ!暮れなずむデブ!」
カリナは凄い速さで走り去ってしまった。
「...神宮寺はおまえが考えてるような奴じゃない」
どうする?
やっぱりあいつに賭けるしかないか。
「ガリ...か」
それから一週間、俺は剣道部の練習をこっそり見に行った。
ガリがあまり強くないことは、素人の俺でもすぐにわかった。
というより、神宮寺の強さが飛び抜けていたのだ。
まだ錆びついちゃいなかったというわけか。
一週間後、
部活前のガリに話しかけた。
「よお」
「...何?」
「神宮寺はどうだった?」
「べつに....強いよ」
「だろ。あいつには同じ2年は勿論、3年も敵わないんだ。」
「だから何?僕に何の関係が...」
「あいつもウチの剣道部に入ったの今年からなんだぜ。」
「え?どういうこと?」
「1年の時は部活やってなかった。面白くないと思わねーか?強いっていう触込みで、2年で鳴り物入りしてきた奴にエースかっ攫われてよ」
「強いんやからしゃーない」
「しゃーない、か。まぁそうだよな。」
俺はそこから立ち去った。
焦っちゃいけない。ゆっくり進めるんだ。
カリナは俺が守る。
連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく・・
※この物語はフィクションです。
デブです。
カレー生活67日目。
今日は昼間に事件がありまして、
九段下で車が橋の欄干突き破って川に落ちるという。
これ会社の近くで、
完全にカレー部の行動範囲内だったんですよ。
たまたま今日はカレーに行くのが遅れて2時ぐらいに外に出たので、
全然事件後だったんですけど、
遅れなければもしかしたら事件に巻き込まれてた可能性だってあったわけです。
それを震えながらガリくんに言うと、
一言、
「なに言ってるんですか」
って、冷たいと思いませんか。
冷ガリですよまったく。
そういうわけでどこもランチタイムは終了しており、
神保町をフラフラしてまして
目についたのが、
つけそば屋 北かまです。
つけ麺屋で有名なお店です。
ここにあるんですよ、カレーメニューが。
カレーつけだれ!
実は私、つけ麺って何年も前に一度食べただけで、
それ以来食べた事なかったんですよ。
興味がないというか。
普通のラーメンでいいじゃん、
なんでわざわざつける!?というわけで。
でもせっかくなので今回はつけ麺チャレンジです。
私は温もりつけそば+特盛り+カレーつけだれで¥1000
ガリくんは醤油湯麺+特盛り+カレーつけだれ¥940
店内に入り食券を渡すと、
醤油湯麺は特盛りできないとのこと。
かわいそうにガリくん、大盛りに格下げです。
待っているうちに客がどんどん来ます。3時くらいなのに。
まずガリくんのが到着。
旨そうなラーメンですね。
私のが中々来ないのでガリくんには先に食べてもらい、
感想を聞くと、
カレーラーメンというよりラーメンカレー風味だそうです。
そのうち私のつけ麺がやってきました。
この写真だとわからないですが、
麺の量は結構あります。
つけだれは、クリーミーながらスパイシーなカレーで、魚介系の香りが強い。
つけて一口....おお、旨いじゃないか。
3口ぐらい食べたところでガリくんが食べ終わる。
早いよ!まあ大盛りだからね。
つけだれは具が沈んでまして、
メンマやらチャーシューやら。
うーん美味しいですね。
でもやっぱり、めんどくせえ!
そばじゃねーんだ、滑るんだよ。
とブツブツ言いながら食べてましたが、
これやっぱりつけだれを麺の方にかけちゃダメなんですよね。
味はとても良かったです。
量も良かったです。
ガリくんは帰り道お腹空いてました。
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つけそば屋 北かま
[評価]
味:★★★
量:★★★
CP:★★★
総合評価:★★★
※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。