博多らーめん 由丸(駿河台)

俺の機嫌は朝から最悪だった、と思う。


6月も半ば、
窓から差し込む朝日が明確な熱気を帯び始めていた。

じっとりとした汗が頬を伝い、目覚めると
階下で母親が朝飯の用意ができたから早く降りてこいとがなり立てる。



のっそりと起き上がり、
ゆっくり階段を下りる。



「早く食べちゃって!お母さんこれから町内会の...」


母親はせかせかと動きながら食卓に料理を並べる。




麻婆豆腐だ。




こんなものをどうやったら早く食えるっていうんだ?



また汗がしたたり落ちる。




俺は暑がりなのだ。


暑くなりだしたが未だ冷房は付けないこの季節を
俺は最も嫌っている。



家を出ると容赦無い太陽の日差し。





暑い。





この学ランてやつはどうして黒なんだ。
黒の熱吸収率は白のおよそ50倍なんだぜ。
脱ぎたいが生活指導の上條に見つかったら面倒だし。



そんなことをブツブツ言いながら登校し自分の席に着くと、
他の女子達に混じって始業前のおしゃべりをしていた珈厘奈(カリナ)が走り寄って来た。




「おはよ、出撫(デブ)!」


「相変わらず朝っぱらから元気いいな。」


カリナはその華奢な容姿に似合わず、
勝ち気なじゃじゃ馬としてクラスの男子達から少なからず恐れられていた。


「ねえねえ知ってる?今日転校生が来るらしいよ。」


「へえ。この時期に珍しいな。」


「なんで珍しいのよ?」


「こんなクソ暑い時期に転校なんてクソ暑苦しいことすんのは、よっぽどの変人だってこと。」


「そんなこと言ってんのはアンタだけよデブッ」




その時担任の坂本が教室に入ってきた。


「おーい。静かにしろ。今日から転校生が来るぞ。」



その後坂本に促され、一人の痩せた男が入ってきた。
大阪から来たらしい。
俺達のような中坊からしてみれば、
大阪だろうがイスタンブールだろうが東京以外から来る人間はみんな外国人だ。
当然クラス中が色メキ立った。



「なんかおもしろいこと言えー」
「言えよー。なんでやね〜ん」



阿呆な男子達が大阪人にけしかける。
蜂の巣を突いたような状況の教室。
熱気がすごい。
クラス内の尋常ではないボルテージに
転校生は俯いて言葉を探しているようだった。
それにしても、





暑い。





もう限界だ。


「おいっ!おまえらやめろよ!あつくる」
「そうだよ、かわいそうでしょ!」

俺が言い終わる前にカリナが叫んだ。



教室は水を打ったように静まり返り、
みんなが俺たちを振り返った。






その時、



転校生が少しだけ顔を上げこちらを見た。
子鹿のような眼。




そのあとこの子鹿ちゃんは、
震える声で「ガリ」と名乗った。




俺とカリナと「ガリ」の暑苦しいカレーみたいな青春は、
この時始まったんだ。










連続カレーブログ小説「カレーみたいな青春」 明日へつづく
※この物語はフィクションです。







えーカレーです。デブです。


今日は6月1日でカレー生活61日目。


偶然ですねー。



今日は絶対エチオピアに行くんだと公言し、
前の日もガリくんに宣言していたにもかかわらず、


会社を出る前にネットで予習しようとしたところ、
タイ料理のカオソーイ(カレーラーメン)がどうしても
食べたくなってしまって。


なんか体調も良くないし、
30倍の辛さじゃオラの体ぶっ壊れっぞ!
と勝手に思い込み、
カオソーイを目指すことにしました。



ところが、
目指す店はエチオピアにほど近い駿河台下あたりだったんですが、
一向に見つからない。
そのかわりカレーを出す店を何軒も見つける始末。



そこで今日はもうカオソーイは諦め、
目についた美味しそうな
店に入る事にしたわけです。







ラーメン屋です。
もう小細工はしませんよ。
博多ラーメンのお店で、
牛スジカレーの看板が出てたんです。
しかも替玉は3つまで無料だって!
入らないわけにはいかんでしょう。




ラーメンとミニ牛スジカレーのセット¥880






カレーはガリくん大好き家カレー。


「やさしい。やさしい。」


とつぶやくガリくん。



普通に美味しいですね。
少なくとも昨日のKKRよりは旨いね。
ただ具が牛スジなだけにこってりしていて、
ミニカレーだけで十分な気もします。



ラーメンの方は、
正統な博多ラーメンというより
東京の味に合わせた飲みやすい風味。
私はとんこつラーメンは臭ければ臭いほど好きなので、
すごくライトに感じました。


でもすごく食べやすく、
二人とも3つ替玉して、
いい感じのおなか具合でごちそうさまでした。




エチオピアのはずがタイカレーに変更して
逡巡したあげくのラーメン屋という流れになった今日。
でもまあ今日は「無為(6.1)」の日ですから。



それより今日駿河台下に足をのばしたことで、
20軒くらい見つけちゃいましたから、
まだまだ終わりは見えないですね。



ではまた。



                                                                          • -

博多らーめん 由○ 駿河台店

東京都千代田区神田駿河台3-7-3(→MAP

[評価]

味:★★★

量:★★★

CP:★★★

総合評価:★★★

※日記内容、評価はあくまでも個人の主観によるものです。